枯山水 ボードゲーム初心者のガチゲーマーが語るレビュー



ゲーム性の高さ:★★
パーティー性の高さ:★★
1ゲームのプレイ時間:★★
持ち運びの容易さ:★
初回プレイのハードルの低さ:★★
※これらの評価は著者の独断と偏見で書かれています

枯山水概要

2014年11月に発売された2~4人用ボードゲームです。自らが禅僧となって理想の庭園を造るというコンセプト、デザインの渋さなど相まって一時期大きな話題となり、生産が追い付かず1万5000円程度のプレミア価格で取引されていましたが、落ち着いて現在は定価程度で買える状態になっています。
ゲームに関連するものとしては、名庭園カード、作庭家カード、砂紋札、石があります。
最終的にゲーム終了時に各々が作った庭園のポイントを比較して点数の高い人が勝利するというゲームなのですが、最初にランダムで名庭園カードと作庭家カードが配られます。名庭園カードは、最終的にそこに記載されている条件を満たしていた場合ポイントボーナスを得ることが出来るものです。それぞれの庭園ごとに難易度もポイントボーナスも違うので、配られた名庭園を確認してそれを目指すのか目指さないのかを考えることも醍醐味の一つとなります。
次に作庭家カードなのですが、こちらはゲーム中一回だけ使うことの出来るカードで、それぞれのカードに記載された特殊な効果を発動することが出来ます。効果はなかなか強力なものが多く、配られた作庭家カードをどう活かすかを考えて戦略を練るというのが基本的なプレイングとなるでしょう。
砂紋札は庭に敷きつめて行くカードで、山札からランダムに引いて行き、自分の庭園に配置するか配置しないかを選びながらゲームを進めて行きます。砂紋札を配置しない選択を取る方法は大きく三つで、譲渡、保留、廃棄となります。譲渡は他人に自分が引いた砂紋札をあげることで、ゲームを有利に進めるための徳を2点得ることが出来ます。保留は1枚だけ配置せずにいつでも配置できる状態としてキープしておけるものです。廃棄は徳を1点消費することで、自分が引いた砂紋札をそのまま捨てることが出来るものです。また、人が砂紋札を得ようとした際に徳を2点消費することで強奪をすることも可能です。強奪を行うと、その人が配置しようとした砂紋札を自分の庭園に配置することになります。
誰かが砂紋札を自分の庭園に15枚配置し切るとそこからは譲渡と廃棄が不可能になります。自分の庭園の砂紋が綺麗な形になっているかどうかで大きな加点がありますので、誰かが15枚配置し切る前に自分の庭園の完成目処を立てておくことが重要になったり、砂紋周りでは熱い心理戦が展開されること請け合いです。ちなみに、全員の砂紋札が15枚セットされた手番の行動が全て終わった時にゲーム終了となり、その時点でのポイントで順位がつきます。
また、石なのですが、その時点での徳を全て消費することで自分の庭園に石を配置することが出来ます。
名庭園に合わせた石の配置をするか、名庭園に拘らずボーナスが貰える汎用的な石配置ボーナスを得るか、考えながらゲームを進行することになるでしょう。徳を全て消費すると強奪や廃棄が出来なくなってしまうので、どのタイミングで石を配置するかというのもゲーム進行上キーとなる戦術になります。
ちなみに、ターンの進行フェーズは2つに別れており、それぞれのプレイヤーの手番において、砂紋札を引いてそれを配置・譲渡・保留・廃棄することを決めるフェーズと、禅僧がいる列に石を配置するか、禅僧を1マス移動するか、作庭家カードを使うか、座禅をして徳を1点貯めるかを選ぶフェーズとに別れています。


枯山水の特徴

デザインの渋さ、それぞれの概念(座禅で徳を貯めるとか)の非日常性などから、やっていると無駄にテンションが高くなってきて楽しくなってくるのが特徴と言えます。「強奪なんてなんて徳の低い行為をするんだ!」とか自然と煽り文句が飛び出してきて、盛り上がること請け合いです。また、同じ効果を持つ石でも色や形が全て異なりますので、自分の庭園に配置する時に拘りを持って配置するとゲームの勝敗以外の楽しみも得ることが出来、面白いでしょう。逆に他の人が欲しがりそうな色、形の石を使うことで点数に関わらない妨害をするといった嫌がらせも一興と言えるでしょう。
明らかに作りやすい名庭園と明らかにコストパフォーマンスの劣る名庭園があったり、使いやすい作庭家カードとそうでないものがあったり、砂紋札を引く時にどうしようもない札を引いてきたりと様々な運要素が絡みますので、ゲーム中の一喜一憂が大きく何度でも楽しみやすいでしょう。
どんな戦略を取るかを考えることで勝率を大きく変えることも可能ですし、異端戦略を取る人がいるとそれに応じて行動を変化させなければならないので、頭の使いどころも大きいです。ちょっと際物の臭いがするゲームですが、ゲーム性も十分に高いと言えます。
一つ問題としては、強奪を中心に据えた戦術を使う人の手前の手番の人は強奪を受けやすく、自分の庭作成が思い通り進めにくくなり、ゲーム進行が著しく不利になります。毎ゲームごとに席替えをするなどして特定の人だけが不利にならないよう配慮すると楽しみやすくなるでしょう。
あとは、砂紋が綺麗になっているかどうかの判定が初心者だと少し難しいです。ポイント計算の煩雑さは少しだけこのゲームのハードルを上げていると言えるかもしれませんね。


初心者が考える基本戦略

枯山水の基本戦略は、自分の庭園ポイントを上げて勝つか、相手の庭園ポイントを下げて勝つかの2通りになります。自分の庭園ポイントを上げる戦略としては、砂紋や石配置によるボーナスを積極的に獲得することが挙げられます。枯山水で特別強力なボーナスとしては、砂紋が繋がっていることによるボーナス、名庭園が完成していることによるボーナス、三尊石など10点以上のボーナスが入る特別な石配置によるボーナスが挙げられます。これら3つのボーナスのうち、2つ以上を達成していればそのゲームの勝敗レースでは非常に有利になれること請け合いです。
こうして考えた時、ゲームのキーとなるのは座禅や譲渡、一部の作庭家カードによって獲得した徳をどのように使うかです。
自分の庭園を美しく仕上げる(=庭園ポイントを上げて勝つ)のを目指すのであれば、徳は自分の欲しい砂紋を人が引いた時のみ強奪を行い、基本的には石を配置するために使っていくのが重要になるでしょう。ゲームの進行を見ながら、最終的に取得可能なボーナスを見極め、自分の庭の最終得点を高めようとする戦略になります。
もう一つの戦略が相手の庭園ポイントを下げる手法です。自分の砂紋を最速で完成させ、他の人の庭が最終的に綺麗にならないように働きかけるという大変徳の低い戦略です。この戦略の中心は強奪になりますので、庭の進行が早いプレイヤーをマークし、自分の庭にも使える砂紋を引いてきたらすかさず強奪する。この戦略は常に徳をキープしながらゲームを行う必要がありますので、砂紋完成まではあまり石を配置することが出来ません。結果、当然自分のポイントはあまり高くない庭になりますので、自分の庭完成が遅れて他の人に高いポイントボーナスを取られたり、砂紋を綺麗な形で完成されたりすると勝つことは難しいでしょう。
ゲームの性質上、自分の庭を綺麗にしたがるプレイヤーが多いため、速攻を仕掛ける二つ目の戦略は異端戦略になりがちです。しかし、ボードゲームとしての枯山水を楽しみ切ることを考えれると、このような速攻戦略を仕掛けることで速度と質とのトレードオフを迫りに行くというのは面白いと考えています。
ただし、周りの仲間からの「徳が低い!」という謗りを免れないので、そこは覚悟して行いましょう(笑


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