自分を変えたい人へ『自分の小さな「箱」から脱出する方法』アービンジャー インスティチュート (著)の書評まとめ


「箱」の中に入り込んでしまっていませんか

人間には誰しも「これやった方がいいいんだろうなぁ」と思っても面倒だったりなんだりで実際にはやらないということがあると思います。
そうした時に「他の誰かがやればいい」と思ったり、「本来○○さんがやるべきことなんだからやらない○○さんが悪い」と思ったり。そうした理由付け、自己正当化を行って自分がやらないこと、やらなかったことを正当化しようとしますよね。
この自分の小さな「箱」から脱出する方法では、こうした正当化は自己欺瞞であり、その行為は自分の中の「小さな箱」に入って行く行為だと述べています。
そうやって自分が「箱」に入っていくことで、他人も「箱」に入るように促し、自分にとっても不利益な状況になるといった話が、登場人物である管理職のトムとその上司バドとのバドの経験談を通じた会話で、面白く、解りやすく展開されていきます。


「箱」とは何なのか

本書では「箱」のことを自己欺瞞だと表しており、「箱」に入る過程は自己正当化、他罰化といったものと読み取ることが出来ます。
例えば、子供が夜泣きをして目が覚めてしまった時に「自分が起き上がってあやしてやろう、そうすれば妻は寝ていられるのだから」と思っている時は「箱」の外にいる状態です。ですが、そう思ったのに「疲れているから」などの理由であやしに行かず、寝たふりを始めたところから人は「箱」の中に入り始めます。こうなると、「どうしてさっさと起きて子供をあやさないんだ」「どうせ昼だってのんびり過ごしているくせに」「ホントは起きてるのに寝たふりをしているんじゃないか?」などなど他人への攻撃へと意識が向き、「妻は怠け者でひどい人間」であり、「妻は怠け者で思いやりがないひどい人間だから、自分は手を貸す必要はない」と自己正当化するに至ります。
こうした自己正当化の結果、いつでも相手を攻撃する準備が整い、何かしらの引き金でその考えが表出すると、相手も自分の箱の中に入ってどんどん抗戦し、お互いがお互いを非難し合うような状態になってしまうわけです。


「箱」の外に出るためには?

・自分が「箱」の中にいるのではないかと疑う
・相手の話をよく聞く
・「箱」の中から攻撃してしまった人たちに心から謝る
・自己正当化の前の本当に正しいと思っていることを行う

簡潔に挙げるとこんな感じでしょうか。
これらに関しては簡潔にまとめられたものだけでなく、本書の中を読んで実例を眺めながら読んだ方がピンと来やすいように思います。

ところで、この内容を見て皆さん「さぁ、私も「箱」の外に出よう!」と思えるでしょうか?
思えるなら是非実践して頂ければ良いと思うのですが、私は全肯定して「箱」の外に出たいとは思えません。
アドラーの『嫌われる勇気』もそうですが、これを全ての人間に対して実践出来たらそれってもはや人と言うか仏か何かですよね。聖書に「左の頬を打たれたら右の頬を差し出しなさい」というような趣旨の内容があったと思いますが、それと同じです。
その境地まで辿り着ければそれはそれで幸せなのかもしれませんが、ちょっとそうなれる気はしませんね(苦笑
なので、私は誰と、どんな関係を築きたいかに応じて「箱」の外に出るか「箱」の中に閉じ籠るか切り分ければ良いと考えています。
実際に何度か「箱」の外の行動を取ってみて、相手も「箱」の外に出てきてくれる人間であれば、その人とは互いに「箱」の外で良好な関係を築いていけばお互いにとってハッピーになるでしょう。ですが、こちらが「箱」の外に出て行動していることを認識しても、ただただ「都合の良いやつ」として利用するだけの人間というのは少なくありません。こうした人間に対しては自分も「箱」の中に入り込んで、なるべく関係しないよう切り捨てるための行動を取った方が良いと思います。

仕事にせよ、恋愛にせよ、相手が「箱」の外に出てくる人間なのかを見極めることは重要なことだと思います。仕事で言えば「箱」の外に出て頑張り続けた結果、酷い量のサービス残業を要求されたり、果てには過労死してしまったり。恋愛でも相手が増長し続けて果てには浮気され別れ話を持ちかけられたり。
相手を見極めるということは非常に重要なことです。
恋愛であれば冷静になって相手を変えることを考えれば良いし、仕事において自分の評価を決める人間が搾取する一方の人間であれば、転職するというのが良い解決策になるでしょう。転職を考えるのであれば、こちらのサイトに各転職サイトの特徴や転職の仕方などが詳しく書いてありますので、参考にしてみると良いかもしれません。




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